「本&読み物」カテゴリーアーカイブ

「夜の来訪者」読みやすい、ってスゴイこと。

夜の来訪者 (岩波文庫 赤 294-1) 夜の来訪者 (岩波文庫 赤 294-1)
(2007/02)
プリーストリー

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バオーじゃないよ。
「夜の来訪者」 by プリーストリー
おもしろかった。
ある上流階級の家族の和気あいあいとした食事の席に、突然警官が訪れ、ある若い女性が自殺したことを告げる。一見、その家族とは無関係と思われるその女性の死なのだが、警官によって徐々に衝撃の事実が明らかにされていく…
という、謎解き的な要素を持ちつつ舞台は進行。
「謎解き」をフックにしてはいるが、人間のエゴの醜さや、この時代の階級社会や政治構造への批判が描かれている。
小説じゃなくて戯曲なので、“人物名:「セリフ」”という、舞台脚本みたいな構成になっています。テンポもよくて、ほんとうに臨場感のある芝居を見ているような感覚になります。
登場人物は家族5人と警官1人だけで、晩飯時のほんの1~2時間の出来事。
短くて読みやすいので、お薦めだよ。
「岩波文庫って、インテリ系オーラ丸出しで退屈そう」という偏見に満ちた僕ですら楽しめました。
dygoの満足度:A(時代を超えて読みやすい、ってのはすごいことだと思う)
全部ウソです。

「陰日向に咲く」劇団ひとりの才能満開!

陰日向に咲く 陰日向に咲く
(2006/01)
劇団ひとり

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「陰日向に咲く」 by 劇団ひとり。
去年、大きな話題になっていたのでずっと気になっていたのだが、ついに買った。
感動した。
「やぐちひとり」を毎週欠かさず見ている僕ですが、矢口真里がかわいいから、というだけで見ているわけではありません(ちなみにハロプロでは松浦亜弥と矢口真里が好きです)。
劇団ひとりが、細かいところでチョコチョコと出してくるネタから感じられる、彼の発想力、想像力が楽しいからです。
この「陰日向に咲く」は、そんな彼の持ち味が「小説」というプラットフォームでも最大限に発揮された秀作だと思います。
よく、音楽家が映画を作って失敗したり、芸能人がつまらない自己満足の小説を書いたりします。
基本的に、ひとつの分野での優れた才能が、ほかの分野で同じように発揮されるのは、非常に珍しいことだと思います。NBA(全米バスケ)の超伝説的選手、マイケル・ジョーダンが、大リーグ野球に転向した時、平凡な成績しか残せなかったのと同じように。
小説家としても、すばらしい才能を見せ付けてしまった劇団ひとり。
恐ろしいほどの才能に感動して、震えが止まりません。
dygoの満足度:A(劇団ひとりに全面降伏)
全部ウソです。

dygoも大爆笑&大号泣「ぼくたちと駐在さんの700日戦争」

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ママチャリ最高!
昨年からブログ形式で連載中の「ぼくたちと駐在さんの700日戦争」。
僕は数ヶ月前から読み始めて、今夜やっと最新話に追いついた。
とても充実した、長~い道のりだった(現在も毎日更新で連載中)。
「三丁目の夕日」と「ろくでなしBLUES」と「スタンドバイミー」と古典落語と浅田次郎を足したような、それでいて非常に読みやすい文体で綴られた素敵な作品。
http://700days.blog69.fc2.com/
最近疲れ気味&人間不信&将来不安な日本国民よ! 騙されたと思って「5章 花火盗人」までは読みなさい! ケータイからも読めるから。
ギャルの日記に毛が生えただけ、みたいなその辺のネット小説とかとまったく違う。
文体はカジュアルだが、綿密に組み立てられている。主人公の無駄話を描くその文章には無駄がまったくない。ちゃんと落語のように毎話の最後にオチもつけている。
愛のこもったウソ、知性を駆使したイタズラ。
ぼくちゅうッ!! それは人間賛歌~ッ!!!
読めば読むほど、この作者(ママチャリさん)への尊敬が深まります。
才能もうらやましいし、これを書いている動機とその熱意にも感動。
ちなみに映画化されて来年公開だけど、こっちはあんまり期待してない。日本映画って、せっかくこういう極上の素材があっても、何の工夫もせず2時間に凝縮し、ナレーションや説明的セリフを随所に入れてごまかす、ということが多いので。
だからこそ、ネットでこれを読んでほしい!
人生ってつらいこともあるけど、やはり自分次第で美しくできるものなのだ。
全部ウソです。いつかママチャリさんのようなウソをつけるようになりたいです。

霜降りの魍魎列車

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北千住駅の床にある案内パネル。
いつも「もうりょう」と「しもふり」に見えて、一瞬ドキッとする。
魍魎は、よく魑魅魍魎(ちみもうりょう)なんて熟語で使われ方するようですね。簡単に言えば化け物のこと。京極夏彦の小説「魍魎の匣」で、初めて読み方を知った。
京極夏彦の京極堂シリーズはどれも本当に面白くて、2作目にあたる「魍魎の匣」も大好き。
京極夏彦があんなに密度の濃い小説を書けるのは、彼自身が本物の妖怪だからです。
全部ウソです。